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エネルギー安定供給の確保及び地球温暖化対策の強化の観点から、原子力エネルギーは重要な役割を果たしているとともに、今後もその役割を増大させていくべきと考えています。将来にわたって原子力エネルギーを利用していくとすれば、社会の進歩や技術の普及に応じて、絶えず原子力エネルギー供給技術を高度化していく必要があります。

そのためには、軽水炉及びその核燃料サイクル技術の安全性、経済性の向上を目指した研究開発、さらには、より優れた性能をもつ原子炉及び核燃料サイクル技術の研究開発が必要です。

とくに、第二再処理、次世代再処理、高速増殖炉サイクル、さらには革新的核燃料サイクルの技術開発・実用化のためには、再処理及び燃料の技術基盤の強化が不可欠です。また、原子力材料の寿命を支配する損傷は、(i)機械的負荷、(ii)照射効果を含む環境効果等により生じ、先進的な炉システムや軽水炉の高経年化課題等では、より高照射量の条件等での機器の健全性確保が必要になり、原子力材料の技術基盤の強化が不可欠です。

そこで、目標として、

  • 軽水炉燃料サイクルの円滑な推進と革新的核燃料サイクル技術の基盤形成
  • 現行及び将来の原子力プラントの健全性・信頼性確保のための基盤形成

を掲げ、そのために必要な特長ある研究設備を開発・整備し、「燃料研究」、及び「材料研究」を展開しています。

研究を進めるにあたっては、以下のことに留意しています。

  • 核燃料サイクル技術開発に対し、使用済み燃料、プルトニウム、マイナーアクチノイドを取り扱い可能な世界有数の特長のある研究設備を有効に活用しながら、TRU(超ウラン元素)高温化学の基礎基盤的立場から貢献する
  • 先進的な炉システム開発や軽水炉高経年化課題に対し、照射材の取り扱いが可能な特長のある研究設備を有効に活用しながら、照射材料科学の基礎基盤的立場から貢献する
  • 研究を進める際には、プロジェクト研究開発との連携・融合を図るとともに、大学、研究機関、産業界と連携協力する

これらの研究は、燃料再処理・製造、軽水炉、高速炉、核融合炉、高温ガス炉などの研究開発や課題に対して、分野横断的に貢献するとともに、新しい知識の獲得や技術概念の創出に寄与しています。